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本ウェブサイトの事故を取り扱った著書、「2間30分の真実」が、2020年12月28日に出版されました。

 

 この本の著者、奥宮芳子さんは、「浜名湖カッターボート転覆事故」を発生直後から取材され、行政や学校教育の責任のあり方について疑問を持ち、様々な視点から問題点を分析しておりました。

 

 また、救えた子どもの命の尊さを強く感じながら、私たち遺族に寄り添い、励まし、二度と繰り返さないための活動をともに取り組んでくれました。

 

 事故発生から現在に至るまでの活動の記録を奥宮さんの視点でまとめたのが、この「2時間30分の真実」です。

 

 事故を風化させないために、事故から得た教訓をいかすために、大変貴重な本だと思います。特に教育現場に携わる多くの方々に読んでいただきたく、この著書が子どもたちの命を守ることにつながることを切に願っております。

 

2021年1月16日 

西野友章

 


以下著書「2時間30分の真実」より引用

◾️プロローグ 

毎年6月18日が近づくと、あの日の出来事がよみがえります。そして決まって、「どうして花菜はいなくなったんだ」、「花菜に会いたい」、「会って話がしたい」と、笑顔の遺影に、やり場のない感情で手を合せます。

事故から10年が経ちました。事故以来私は、花菜の死をむだにしたくない、教訓をいかしてほしい、子どもたちを大人たちの努力で守ってほしいという気持ちを伝えてきました。その思いが、この10年でどこまで届いているのか、不安もありますが、当事者の三ケ日青年の家と豊橋市では、少しずつその取り組みが形として表れてきていると感じています。

しかし、全国的には、教訓をいかせずに、必要な準備が不十分のまま、子どもたちを引率した結果、取り返しのつかない事例を毎年みます。それがどれほど悲しいことか、もっと社会として受け止めなければならないと感じています。子どもたちが家を出て、学校生活をして、家に帰りつくまでの間、さまざまな危険があります。一方、過去の学校管理下の事故から得た、多くのかけがえのない情報もあると思います。その情報は、大きな犠牲を払って得た、たいへん貴重な情報で、社会の共有財産として、もっと活用すべきだと思っています。

この著書は、花菜の事故の背景を深く掘り下げ、そこから見えてきた問題点を提示しています。学校管理下の事故のみならず、広く子どもを守るという点でも、ひとりひとりの大人たちが自分のこととして考えさせられる内容だと思います。

かけがえのない事例を知って、いかして、未然に防ぐことを、しっかりと考えられる社会になってほしいと願っております。

西野友章・西野光美


愛知県東三河地区で発行されている「東愛知新聞」に大きく取り上げていただきました。

 

2021年2月12日版より

 

「2010年6月に起きた「浜名湖カッターボート転覆事故」から10年間の記録をまとめた「2時間30分の真実」が出版された。転覆事故に関するまとまった書籍は初めて。今なお、子どもの命を預かる学校での事故や事件は絶えない。少女の命から得た貴重な教訓を世に

問う一冊だ。」

・・・・・

「友章さんが裁判を通して何を求めているのかを明らかにしたかった。本を読んで真実を知ってほしい」

 

「事故から今年で11年、風化が感じられる。花菜の命で得た教訓を、本書からくみ取って」と語った」・・・

 

(引用おわり)