2019年12月22日 第10回「菜の花キャンドル」は、雨天のため中止となりました。


 今年で遺族開催の「菜の花キャンドル」は最後とさせていただきます。花菜のことを忘れないで欲しいという思いで三ケ日青年の家から引き継いだこのイベントでしたが、同級生たちの成長している姿を見て、いつまでも同級生たちを引っ張っり続けていいのか、10回目の節目として、一旦立ち止まる時期ではないのかと考え、今回で遺族主催の「菜の花キャンドル」に区切りをつけることとしました。

 

 今回、雨天で中止となりましたが、多くの問い合わせや同級生のお参りを受けました。各紙の報道もいただきました。

 

 来年からは、現場の浜名湖で、成長した同級生たちと、使命として受け止めてくれる施設と、風化させたくない遺族とで、新たな発信ができればと思います。

 

西野友章


<中日新聞2019.12.20 夕刊より引用>

 

浜名湖ボート事故 追悼行事に区切り

  友情の花と光 照らした10年

 

 「野に力強く咲く菜の花のように育ってほしい」。そう両親が願いを込めて、花菜さんは名付けられた。毎年6月に市内で市教委主催の追悼行事はあるが、菜の花キャンドルは、半年に一度偲ぶことができるようにと、野外活動を委託されていた静岡県立三ケ日青年の家が始めた。当日は事故があった浜松市で開催していたが、同級生が集えるようにと、花菜さんの両親が豊橋市で開くようになった。

 

 昨年に追悼キャンドルを営んだ時から、父の友章さんは10年の節目で開催を終えようと考えていたという。大学へ進学した花菜さんの同級生たちの多くは現在4年生。社会へと飛び立つ時期に差し掛かっている。友章さんは「友だちを突然、亡くした彼らも被害者なんです。それでも私たちの思いに応え、来てくれていた。でも、もう引き留めてはいけない」と打ち明ける。

 

 同級生たちが今も花菜さんを忘れずにいてくれることも、区切りにしようという気持ちを後押しした。「うちを訪れて、遺影に向かって『就職決まったよ』『彼氏ができたよ』と語りかけてくれたり、手紙を書いてくれたりする。同級生たちの心の奥には、ちゃんと今も花菜がいるんだなと思えた」と友章さんは語る。

 

 会場の西南代公園は、花菜さんたちが小さい頃からよく遊んだ「なじみの場所」だ。当日は発光ダイオード(LED)やキャンドルで飾り付け、淡い光の下で花菜さんをしのぶ。飾り付けは午後4時ごろから始め、午後5時から1時間ほど執り行う。雨天中止。「社会人として次のステップで活躍してほしい」。友章さんは同級生たちの”巣立ち”を見届けるつもりだ。

 

<引用おわり>

 


<朝日新聞2019.12.24朝刊より引用>

 

豊橋での追悼集い終了 

 来年からは現場近くで

 

 浜松市の浜名湖で2010年に起きたボート転覆事故で亡くなった豊橋市立章南中1年西野花菜さん(当時12)を追悼する集いが、10回目の22日を節目に幕を閉じた。主催する両親が「一区切りとしたい」と判断した。来年からは事故を起こした宿泊研修施設側の提案で同時期に、再び湖畔で開かれる見通しだ。

 

 集いは、浜松市や豊橋市で6月の命日に合わせて営まれる追悼行事とは別に、「菜の花キャンドル」と名付けられた。事故があった浜松市北区三ヶ日町の静岡県立三ケ日青年の家で10年12月に初めて開かれた。指定管理者の交代を理由に、13年12月以降は「花菜のことを忘れないでほしい。事故を風化させたくない」と願う両親が引き継いだ。

 

 「同級生たちが来やすいように」と自宅近くの公園を会場に選び、明かりをともしてきた。

 

 同級生の多くは現在22歳。大学4年生なら来春に卒業を迎える。「彼らをいつまでも引っ張り続けていいのか」と自問してきた父親の友章さんは「友を突然失った同級生だって被害者。花菜のことを心に留め、成長してくれる」と思い、22日を最後にすると決めた。

 

 今回は雨天で中止になったが、「花菜もきっと理解してくれる」と言い聞かせる。

 

 ところが、友章さんが22日、青年の家の現所長に来年以降の開催を見合わせる意向を伝えたところ、「三ケ日で続けさせてほしい」と申し出を受けたという。22日に自宅を訪ねた同級生たちが「これからも続けてほしい」と指示してくれたこともあり、提案に応じることにした。

 

 所長の招きで11月、ほぼ8年ぶりに青年の家を訪れ、東海北陸地区の教育施設職員向けに講演した友章さん。「浜名湖を見ると事故をどうしても思い出してしまうから」と足が向かなかったが、学校現場で繰り返される子どもの熱中症やいじめによる死に心を痛めるなか、「同じような事故を繰り返さないためなら」と意を決して車を走らせた。

 

 「時は悲しみを解決してくれない」。友章さんは深い悲しみに向き合いながら、年末の追悼行事に駆けつけ、最愛の娘に尽力を誓うつもりだ。

 

<引用おわり>

 


<静岡新聞2019.12.23朝刊より引用>

 

浜名湖のボート事故 西野花菜さん追悼

「キャンドル」再び三ケ日で

 

 2010年6月の浜名湖のボート転覆事故で亡くなった愛知県豊橋市立章南中1年西野花菜さん=当時(12)=を追悼する菜の花キャンドルが、事故発生から10年となる来年以降、現在の豊橋市から浜松市北区の県立三ケ日青年の家に再び会場を移して開催される見通しになった。西野さんの父友章さんと城田守所長が22日、明らかにした。

 

来年から「発生場所で教訓継ぐ」

 

 事故は同校が同青年の家で海洋活動中、悪天候でえい航中に転覆したカッターボートに花菜さんが閉じ込められ命を落とした。事故後3年は同青年の家で当時の指定管理者が菜の花キャンドルを主催。13年からは友人らが訪れやすい同校学区の公園で両親を中心に開いてきた。

 

 友章さんは22日の通算10回目の開催で終了するつもりだったが、雨天中止に。電話で連絡を取った城田所長が「事故の起きた三ケ日で教訓を伝え続けるべきだ」と継続を提案したという。

 

 西野さんの同級生が就職時期を迎え、「区切りを付けようとした中で、思いがけない提案を受けた。施設と一緒に取り組みたい」と友章さん。西野さんの親友の平松明華さん(22)は「より多くの人に事故を知ってもらうきっかけになれば」と思いを語った。

 

 菜の花キャンドルは同級生らが多数の発光ダイオード(LDE)を並べ、音符やクリスマスツリーなどの思い思いの”絵”を制作する。事故を知る同級生の再会の場にもなっている。

 

<引用おわり>