平松さん パン屋の夢かなえ開業

   花菜へ「頑張っているよ」


花菜の小学校からの友人、平松明華さんがパン屋を開くという夢を実現しました。ボート事故を経験した同級生が頑張ってくれること、花菜の両親としてもとても嬉しく、また、励まされます。今回、静岡新聞が記事にしてくれました。

<西野>

 


<静岡新聞より引用>

 

 浜名湖の県立三ケ日青年の家(浜松市北区)のボート転覆事故で2010年6月に亡くなった愛知県豊橋市立章南中学1年西野花菜さん=当時12=の親友、平松明華さん(21)が昨年末、パン屋を開くという夢を実現した。「頑張っているよって花菜に伝えたい」。慌ただしくも充実した日々の中、西野さんを思う。

 

 平松さんがパン屋を目指したのは中学2年の6月、都会の片隅で真夜中だけ開く不思議なパン屋の物語「真夜中のパン屋さん」を書店で手に取ったのがきっかけだった。

 

 前年のボート事故の時、転覆した船とは別の船だった平松さん。周囲には事故後、食べることを拒否したり味を感じられなくなったりした友達もいたという。パンで心が救われる同書に魅了され「食べることで人を幸せにしたい」と職人を志した。西野さんの母に話すと「めいちゃん(明華さん)ならできる」と、応援してくれた。

 

 豊橋調理製菓専門学校を卒業し、ベーカリーに勤めていた昨夏、高校時代から通っていた市内のパン屋オーナーが引退を前に「継がないか」と声をかけてくれた。「今しかない」と退職し、昨年12月1日に新規開店。レシピを引き継ぎ、専門学校の同級生と二人で店を切り盛りする。

 

 店名は前オーナーの時のまま「ブーランジェリーノア」。フランス語で「クルミのパン屋」。看板商品のクルミパンなど30種を朝5時から焼き上げる忙しい日々。つかんだ夢を「まだ自分のことじゃないみたい」と語る。

 

 事故以来、月命日に西野さん宅を訪ねている。西野さんの父、友章さんは「花菜もきっと喜んでいるだろう」と目を細める。

 

 西野さんは事故の前夜、自然体験学習のしおりに「夢があるっていい。私は同級生の活躍を見たい」とつづっていた。平松さんは「見守っていて」と心の中で呼び掛ける。

 

(引用おわり)