2016年10月6日 「不起訴不当」議決 静岡検察審査会


ダウンロード
元校長の「不起訴不当」各新聞報道
「不起訴不当」報道.pdf
PDFファイル 5.5 MB

2016年10月

西野友章  西野光美

 

静岡検察審査会は、業務上過失致死容疑で書類送検された引率責任者の元校長を不起訴とした静岡地検の処分を不当と議決しました。これを受けて静岡地検は再捜査をします。

 

事故から6年半、当初からの私たちの訴えが、やっとここで認められたような議決内容でした。

静岡県警察が元校長を業務上過失致死容疑で書類送検してから、3年8か月経過しています。

 

改めて、

この事故は学校の授業中に発生し、元校長は学校の最高責任者であり、生徒の安全を確保すべき具体的な義務を負う立場です。

にもかかわらず、容易に天候悪化が予想される中、訓練開始直前には風雨が強く、白波が立っている状態にもかかわらず、三ケ日青年の家の所長等と何ら協議することもなく、漫然とカッターボート訓練を開始、継続させた過失により、私の娘花菜を溺死させたのです。 この結果は極めて重大です。

 

検察審査会は、予見義務や結果回避義務について、再捜査が必要と議決しました。

 

検察は、この議決を国民の声として重く受け止め、再捜査し、法廷の場で事実を明らかにし、その結果をこどもの命を守るために生かしてほしいと思います。

                              

 

 

 

 

<静岡新聞より引用>

静岡地検、元校長を再捜査へ 浜名湖・ボート転覆

10月8日(土)7時55分配信

 

 2010年、浜名湖で県立三ケ日青年の家のボートが転覆し、愛知県豊橋市の市立中女子生徒=当時(12)=が死亡した事故で、業務上過失致死容疑で書類送検され不起訴になった同校の元校長を「不起訴不当」とした静岡検察審査会の議決を受け、静岡地検の石崎功二次席検事は7日、「議決の内容を十分に検討し、再度捜査を遂げたい」とコメントした。

 議決は事故当日に施設内の部屋で待機していた元校長の行動が、生徒引率の最高責任者として十分だったのか再度検討を求めた。

 具体的には、天候が悪化する中、元校長に何らかの行動ができなかったのかについて、「証拠上も不明確」と指摘。「湖の状況や天候、天気予報を自ら確認していれば、施設側と相談し、早い段階で訓練中止の呼び掛けができた可能性がある」とし、さらなる捜査の必要性を強調した。

 元校長の過失の程度は、同罪で起訴され有罪判決を受けた元所長の公判でも、争点の一つになった。弁護側はボートをえい航した元所長に加え、天候のリスクを確認しなかった元校長らの「過失の競合」で事故が起きたと主張。一方、検察側は「素人である元校長に施設側の出航の決定を覆す決断は求め得ない」と反論、判決も検察側の見解に沿った内容になっていた。

 ■遺族「再発防止へ一歩」

 静岡県立三ケ日青年の家のボート転覆事故で、業務上過失致死容疑で書類送検され不起訴となった中学の元校長を「不起訴不当」とした静岡検察審査会の議決について、犠牲になった女子生徒の父親(57)は7日、「事故の再発防止を図る上で大きな一歩になった」と受け止め、娘の遺影に経過を報告した。

 父親は事故後、「事故は学校の課外活動中に起きた。他の学校が再発防止を徹底するには元校長の責任を法廷で問うことが欠かせない」との思いを強くしていた。

 議決が「元校長は学校の最高責任者として安全を確保すべき具体的な義務を負う」などとして再捜査の必要性を指摘したことに「私たち遺族の考えと似たような見方で意義がある」と背中を押されたように感じた。

 検察に対して父親は「起訴した場合に有罪に持ち込めるかどうかで不起訴にしたかもしれないが、学校主体で安全確保が徹底されたかどうかといった視点で再捜査をしてほしい」と望んだ。

                                     

<引用おわり>

 

 


 

 

 

<静岡新聞より引用>

 

元校長の不起訴不当 静岡検察審査会が議決 浜名湖・ボート転覆

(2016/10/7 17:16)

 

 浜名湖で2010年6月に静岡県立三ケ日青年の家(浜松市北区)のボートが転覆し、愛知県豊橋市の市立中の女子生徒=当時(12)=が死亡した事故で、静岡検察審査会は7日までに、業務上過失致死の疑いで書類送検された元校長を不起訴とした静岡地検の処分を不当と議決した。議決は6日付。
 静岡地検は「元校長が事故の結果まで予見できなかった」などと判断していた。議決は「元校長は当時、学校の最高責任者として生徒の安全を確保する具体的義務を負っていた」と指摘。悪天候の中、自ら湖面の様子を見るなどの安全確認をどの程度行ったかが明らかにされておらず、予見義務がなかったとはいえないとした。
 さらに、「早い段階で訓練中止を呼び掛けたり、ハーバーへ戻る呼び掛けもできた可能性があるのに、元校長に行動を取った様子が見られない」と指摘し、「十分に情報収集し、青年の家職員と相談していれば、結果は違っていたかもしれない」として再捜査が必要と結論付けた。
 女子生徒の両親がことし4月、静岡地検の処分を不服として同審査会に審査を申し立てていた。

 

                               

<引用おわり>

 


<毎日新聞より引用>

 

元校長の不起訴不当 審査会が議決

 

 浜松市の浜名湖で2010年6月、愛知県豊橋市立章南中学校1年の西野花菜さん(当時12歳)が校外学習中のボート転覆で水死した事故で、静岡検察審査会は業務上過失致死容疑で書類送検された引率責任者の元校長を不起訴とした静岡地検の処分を不当と議決した。静岡地検は再捜査に乗り出す。議決は6日付。

 

 検察審査会は議決で、元校長は学校の最高責任者であり、生徒全員の安全を確保すべき具体的な義務を負うと指摘。「ボート訓練開始後、天気予報の確認など十分な情報収集をしていれば結果が違った可能性もあり、予見義務がなかったとはいえない」として、再捜査が必要と判断した。

 事故を巡っては、静岡地裁が昨年11月、ボートをえい航し、業務上過失致死罪に問われた「静岡県立三ケ日青年の家」の元所長に有罪判決を言い渡した。

 一方、元校長については静岡地検が昨年1月、「悪天候だったとはいえ、具体的にボート転覆までは予想できなかった」と不起訴にしたが、遺族らが今年4月、検察審査会に不服を申し立てていた。

 

 花菜さんの父友章さん(も57)は「検察は国民の声を受け止め、校長の過失を法廷で明らかにしてほしい」と話した。静岡地検の石崎功二次席検事は「議決の内容を十分に検討した上で、再度捜査を遂げたい」とコメントした。     

 

<引用おわり>

 

 


 

 <中日新聞より引用>

 

元校長不起訴不当 静岡検察審査会が議決

 

浜松市北区の浜名湖で二〇一〇年六月、校外活動中のボートが転覆し、愛知県豊橋市章南中一年だった西野花菜さん=当時(12)=が死亡した事故で、業務上過失致死容疑で書類送検された当時の校長を不起訴とした静岡地検の処分について、静岡検察審査会は不起訴不当と議決した。六日付。

 検審は「悪天候の中、湖の沖に出ること自体が転覆などを引き起こす危険な行為」と判断。湖の状況や天候を見るなどの安全確認を尽くしていたか明らかになっていないことから、「予見義務がなかったとは言えず、証拠上も不明確である」などと指摘し、再捜査が必要と結論付けた。

 検察は不起訴不当の議決を参考に、あらためて起訴または不起訴を決めなければならない。

 事故は一〇年六月十八日に発生。生徒らが分乗した手こぎボート四隻のうち、生徒十八人と教員二人が乗った一隻が荒天で動けなくなり、えい航中に転覆。西野さんがボート内に閉じ込められて溺死した。

 静岡県警は一三年二月、訓練実施の是非を判断する注意義務やえい航時のマニュアル作成を怠ったとして元所長や校長、施設指導員ら六人を書類送検。静岡地検は昨年一月、元所長を在宅起訴し、「えい航時にボートが転覆するとまでは予見できない」として他の五人を不起訴とした。元所長は同十一月、静岡地裁で業務上過失致死罪で禁錮一年六月、執行猶予三年の判決を受けた。

 西野さんの両親が四月、校長への不起訴処分に対し審査を申し立てていた。

 

                                

<引用おわり>

 


 

<産経新聞より>

元校長不起訴は「不当」 浜名湖転覆事故で検審議決

 

浜松市の浜名湖で平成22年、野外活動中のボートが転覆し女子中学生が死亡した事故で、静岡検察審査会は、業務上過失致死容疑で書類送検された引率責任者の元校長を不起訴とした静岡地検の処分を不当と議決した。6日付。

 議決書は、元校長が天候を確認し関係者と協議していれば、訓練中止を呼び掛けられたと指摘した。事故は22年6月18日に発生。悪天候の中での訓練で立ち往生したボートがえい航される際に転覆、愛知県豊橋市、市立章南中1年、西野花菜さん=当時(12)=が溺死した。

 静岡県警は25年2月、ボートをえい航した施設元所長や元校長ら6人を書類送検。地検は昨年1月、元所長を在宅起訴したが、元校長ら5人を不起訴処分とした。元所長は同年11月、静岡地裁で禁錮1年6月、執行猶予3年の判決を受け確定した。

                           

<引用おわり>

 


<鹿児島テレビより引用>

三ケ日ボート転覆事故 元校長の不起訴不当

 

三ケ日青年の家のボートが転覆し、中学生が死亡した事故で静岡検察審査会は、当時の校長が不起訴になったのは不当とする議決をした。6年前に、県立浜松市北区の浜名湖で、三ケ日青年の家のカッターボートが転覆し、女子中学生が死亡した事故では、業務上過失致死の疑いで6人が書類送検され、当時の所長以外は不起訴だった。死亡した生徒の両親は当時の校長が不起訴となったことを不服として、静岡検察審査会に審査を申し立てていた。静岡検察審査会は6日付で、当時の校長について不起訴不当の議決をし、その理由について「引率した最高責任者として、尽くすべき義務を行ったのかどうか不明確なことから再捜査が必要」としている。

                      
 <引用おわり>