豊橋市内の若手教員の研修で講演


教員3年目の先生たち86名に、この事故について一緒に考える時間が持てました。3年目の若手教員たちにとって、8年前のこの事故はあまり深く知らないかもしれません。改めてこの事故に触れ、「なぜ学校の授業の中で生徒がなくなってしまったのか」、「どこに問題があったのか」、「繰り返さないためには誰がどんなことをしなければならないのか」そして、次に生徒の安全確保の判断をするときに役立つよう、意見交換を通じて、教訓を生かす重要さを感じたと思います。この日感じたことを各学校に持ち帰って、共有して、教訓を広げてくれることを願っています。

 

2018年7月30日 西野友章

 



 <朝日新聞より引用>

自分の生徒の命 守る意識を

豊橋の若手教員に講演

浜名湖浜松市)で学校行事の体験訓練中に娘を亡くした西野友章さん(59)が30日、豊橋市内の若手教員の研修で講演した。同市教育委員会の要請でマイクを握った西野さんは、小中学校で勤務する3年目の教員86人に「自分の生徒の命は自分が守るという意識が必要」と呼びかけた。

 事故は2010年6月、手こぎボート搭乗体験中に起きた。悪天候で動けなくなったボートを静岡県立三ケ日青年の家の所長がモーターボートで曳航(えいこう)する際、手こぎボートが転覆。教員2人と生徒18人が投げ出され、豊橋市立章南中1年の西野花菜さん(当時12)が亡くなった。静岡地裁が当時の青年の家所長に有罪判決を出した一方、当時の校長は不起訴処分となった。

 西野さんは講演で事故の概要を説明し、「天候が悪いなか、なぜ訓練を実施したのか」「なぜ校長に中止を検討するよう教員が言わなかったのか」など、事故に至った「五つのなぜ」を問いかけた。教員はグループごとに議論し、「気象状況を確認する役の教員を配置するべきだった」「最悪の事態を考えず、いけるところまでやろうという意識が悲しい事故につながった」などの意見を発表した。

 西野さんは最後に「子どもを突然亡くした親の気持ちも想像してみてほしい。せめて、子どもを守ることに生かしてほしい」と呼びかけた。講演後、西野さんは「花菜の死を教訓としてほしいと思って話しました。先生方から『目の前の子どもは自分が守る』という声も上がった。その姿を見守りたい」と話した。(宮沢崇志)

<引用おわり>


<静岡新聞より引用>

 

ボート事故 若手教員に伝える

校外学習の安全 率直議論

 

2010年、浜名湖で県立三ケ日青年の家(浜松市北区)のカッターボートが転覆し死亡した愛知県豊橋市立章南中1年の女子生徒=当時(12)=の父(59)が30日、同市内の小中学校に勤務する3年目教員の研修会で「校外学習の安全管理について」と題し講話を行った。
 同事故以来、父親が教員を前に話すのは初めて。椙山女学園大(名古屋市)の教育学部生に父親が毎年、事故の再発防止をテーマに講話していることを受けて、豊橋市教育委員会が招いた。
 父親は、荒天の中、引率教員の多くが危険を認識しつつボート訓練を実施し死亡事故につながった経緯を説明。(1)教員は不安を感じながらなぜ校長に中止検討を申し入れられなかったか(2)なぜ直前の気象状況を確認しなかったか(3)なぜ乗船者名簿を施設に事前提出しなかったか-など“五つのなぜ”を投げ掛けた。教員約90人は真剣な表情でグループごと率直に議論した。
 今月、愛知県豊田市で小学1年男児が熱射病で亡くなった事案など学校管理下での死亡例に触れて「似たようなことが繰り返されている。原因や背景を学び生かして」と呼び掛けた。父親は講話後、取材に応じ「3年実践を積んだ先生とあって議論が具体的で、良い機会だった。事故を経験したからこそ豊橋市が学校安全の全国モデルとなり、それでこそ娘の命が生かされる。感じたことを持ち帰って共有し、自然相手に自分ならどう判断するかイメージしてみてほしい」と話した。
 浜松市中区出身の教諭(25)=豊橋市立羽田中=は「中学2年時に三ケ日でカッターボート訓練に参加したことがある。その2年後に事故が起きた。安全管理が人任せではいけないと強く感じた」と振り返った。

 

<引用おわり>


<東愛知新聞より引用>

 

章南中ボート事故で娘亡くした西野さん教員に講話

 豊橋市の3年目若手教員らが30日、2010(平成22)年に浜名湖でカッターボート訓練中に亡くなった当時章南中学1年生だった西野花菜さんの父親友章さん(59)の講話を聴き、校外学習の安全管理について話し合う研修会を豊橋市教育会館で行った。
 3年目となり、学校の行事の企画や運営を任される立場になった小・中学校教員らに、児童生徒の安全を最優先に考える意識をより強く持ってもらうことが狙い。
 遺族として事故の教訓を生かしてほしいと、名古屋市の大学で教員を目指す学生らに講演を行っている西野さん。豊橋市で教員を前に講話やグループ討論を行うのは今回が初めて。
 西野さんは「子どもたちが事故に遭わないようにするにはどうすればいいのか考えてほしい」と話し、事故の概要や引率教員らの対応を説明。強い雨の中で「なぜ、訓練を中止できなかったか」「なぜ、不安を感じていた先生は校長に中止検討を申し入れることができなかったか」など五つの疑問点を提示し、「疑問点を深く掘り下げることが、大切な教訓につながるのではないか」と語り、教員らと意見交換を行った。
 教員らからは、学校側としての中止判断の基準や日頃から校長を含め話し合える環境づくりが必要だったなどの意見が出された。
 西野さんは「反省すべき点は主体性の無さなんじゃないかなと思う。校長任せではなく、目の前の生徒たちを自分が守るんだという意識が必要ではなかったのか」と指摘した。「『やるぞ』と計画を立てて行ったときに、(子どもたちに)目標を達成させてあげたいという思いなどで、客観的な視点がなくなってしまうのかも。一歩踏み止まって『ちょっと待てよ、大丈夫かな』と考えてほしい」とも話した。
 昨年3月の栃木県那須の雪崩事故や豊田市の児童熱射病死亡事故などについても触れ、「事故を知り、原因や背景を学び、その教訓を生かしてください。花菜のことを忘れないでください」と締めくくった。
(井嶋義典)

 

<引用おわり>


 <東日新聞より引用>

 

「娘の死を教訓に」

若手教員研修会で西野友章さんが講演/テーマは「郊外学習の安全管理について」

 

カッター訓練中の事故で亡くなった娘の父親、静岡県浜松市の西野友章さんを講師に招き、このほど豊橋市神野ふ頭町の市教育会館で、若手教員研修会があった。テーマは「校外学習の安全管理について」。市教育委員会が主催し、87人が参加した。

 西野さんの娘、花菜さんは中学1年だった2010年6月、浜松市北区の三ケ日青年の家で、同じ学年の生徒と一緒にカッター訓練中、亡くなった。

 西野さんは、カッターボートの出航時に大雨、雷、強風、波浪、洪水の注意報が出ていて強い雨が降っていた状況で事故に至った経緯や、教員が生徒を残して陸地に上がったのか、中止の申し入れができなかったのかなど、5つの「なぜ」と感じたことを説明した。

 その後、「なぜ」を参加した教員がグループごとに話し合った。「主体性がなかったことが問題」「最終判断をするのが誰か決まっていないといけない」などと問題点を指摘した。

 西野さんは「事故を知り、原因や背景を学び、教訓を生かしてほしい」と願い、講演を続けている。

 教員の1人、熊谷一規さん(24)は「一人ひとりの判断が大切と学んだ。生徒の心の状態も事故に関わってくる要因、アンテナを高くしておきたい。学んだことをこれからの活動に生かしたい」と感想を述べた。

 研修会は、若手教員に、生徒の安全の大切さを再確認してもらおうと行われた。

 

<引用おわり>